老陳醋の製法
3年半以上の月日と、職人の細かな手入れを経てやっと出来上がるのが老陳醋です。具体的に老陳醋が作られていく6つの工程をたどります。
准 紅コウリャンを自然乾燥・脱殻

老陳醋の原料となる紅コウリャンが収穫されるのは、年に一度晩秋の気配漂う10月下旬ごろです。収穫された紅コウリャンは、職人の手によって自然乾燥され、脱穀して保管されます。
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蒸 蒸す

老陳醋の発酵方法は、原料を液体化せず、固体のまま発酵させる「固体発酵」。大気中の酸素をより多く吸収して、発酵を活性化せ、深い熟成を生みだすためなのです。
この固体発酵の第一段階が「蒸」。倉庫に保管されていた紅コウリャンを粗めに砕き、皮ごと大きな蒸し器で蒸します。皮ごと蒸すのは、蒸気の通りをよくしてでんぷんがほどよく糊化するからです。職人が天候や温度などの環境を考慮しながら、紅コウリャンを発酵に適した状態にまで蒸します。
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酵 酒精と酢酸の2つの工程に分けて発酵させる
大麦とエンドウ豆からできた「大曲」という麺を加え、発酵の段階に入ります。
この工程は「酒精発酵」と「酢酸発酵」の2つに分けられます。最初に行われるのが、アルコールの生成を促す「酒精発酵」。発酵槽に原料を入れ、アルコール成分を逃さないようにフタをして発酵させます。
その後、ぬかとフスマを加え、酢酸発酵をさせます。アルコールを酢として発酵させる工程です。甕一つずつを毎日かき混ぜ、酸素と空気中の微生物を取り込みます。
この工程を通して、アミノ酸などの豊富な栄養素が醸成されていきます。
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燻 甕に入れたまま燻す

「酵」の工程を終えた原料を甕(かめ)に入れたまま燻します。この「燻」の工程が老陳醋の最も独特なポイント。老陳醋の長い歴史の中で発見され、確立された工程です。
燻すことで老陳醋だけがもつ、深い紅紫色と、独特の香ばしい味わい、深い風味が、じっくりと引き出されてくるのです。ここにも職人の経験と技が光ります。火加減を誤ると苦味がきつくなり、老陳醋の甘み・酸味が壊れてしまいます。多くの酢には追隋を許さない手間と気配りと技が必要な工程です。
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淋 固体から液体を抽出

燻された甕の固体原料から、いよいよ液体を抽出するのが「淋」です。この工程では、発酵を終えた原料に地下水をゆっくりと垂らしていきます。
固体原料の栄養分を、酢として液体に変えるのです。
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陳 酢を熟成させ、うまみが凝縮される

「淋」を通して出来上がった酢はまだ老陳醋ではありません。「陳」というのは熟成のことです。だから、この「陳」を経た酢が初めて「陳醋」になり、1年以上熟成された酢のみが「老陳醋」と名乗ることができるのです。
この熟成の過程で、山西省の気候が大きく関わってきます。盆地の地勢であるため、夏暑く冬は寒い厳しい気候条件ですが、この寒暖差が品質のよい酢作りに適しています。
また「三伏一冬(さんぷくいっとう…三伏:真夏の一番暑い10日間、一冬:冬の全期間)」を経たからこそ、「老陳醋」は深い味わいや香りを得ることができると言われています。
加えて「陳」の段階で、熟成とともに余分な水分が飛ばされて、アミノ酸などの栄養分が濃縮されます。




